2008年に出たSHAMEのシングル「here.」のジャケット撮影の後、じんましんが出た。ジャケットをご存知の方は想像出来るかもですが、草の中に入って撮影したりもしたので、それかなあなんて思いながら皮膚科を受診したところ「日光アレルギーです」との診断。そんなアレルギーあるんですか!と驚いたんだけど、生まれながらのインドア派としては納得できるものがあった。確かにお日様と仲の良い子供ではなかった。
時は過ぎ2021年。今では日光が好きで、浴びたくて仕方のない私がおります。人は変わるものだ。僕が多くの時間を過ごすプライベートスタジオには窓がないので、たまに外に出て柔らかな日差し(いい季節になってきましたね)に身を晒すと、もう
「んあぁっ…!」
と思わず声が出てしまうくらい気持ちがいい。「やあ、お天気の日は気持ちがいいですね」みたいな精神的な話じゃなくて、フィジカルなセンセーションとして、能動的に、悦楽的に気持ちが良いのである。福沢諭吉じゃないけど、許されるものなら全裸で浴びたいくらい。少し前まではこんなことはなかった。この一年ほどで身体の仕組みががらっと変わってしまったみたいだ。
しかしもちろん雨や曇りの日もあるし、日中外に出られない日もある。そういう日は光が恋しくなる。「もっと光を…!」と想い焦がれて、光療法というやつで使う蛍光灯の親玉みたいなのを買った。空気清浄機位のサイズで結構大きくかなり明るいし、近づくとなるほど、もちろん太陽の光には遠く及ばないけど、気持ちがいい。自律神経にも良さそうである。猫も気に入って、つけていると寄ってくる。猫が気にいるくらいだから悪いものではないんだろう。
締め切ったスタジオの中、人工の光を僕と猫で分け合って浴びていると、なんだかスペースコロニーの中にいるような不思議な気持ちにになってくる。