任天堂の「岩田さん。」

本を読んでいる最中に歌詞が出来るというのは、ままある事なんだけど、1冊(というかその中の数ページ)から2曲分の歌詞が出来る事は少ない。そんな経験をした話。

岩田聡さんって皆さんご存知でしょうか?ゲーム好きなら知る人ぞ知る伝説のプログラマーであり、任天堂の元社長さんです。2015年に若くして(55歳)他界されたのですが、ゆかりの深かった糸井重里さんが主宰する「ほぼ日刊イトイ新聞」が編纂した「岩田さん -岩田聡はこんな事を話していた。」がとても良い本で。出版された頃に本屋でみかけた時は「読んだことあるのがほとんどかも」と思って手にしなかったのですが、今日はなんだか朝から調子が出ず、そういえばと思い出してkindleで購入したのでした。

岩田さんの詳しい話はネットに沢山出てるのでご興味あればそちらを参照して欲しいのですが、僕は岩田さんの「社長が訊く」というコンテンツを目にした時に初めて存在を知って、それは2006年発売のWiiハードウェア開発の話だったんだけど「こんなにも理路整然、かつソフトに話を訊き、流れを導ける人がいるのか」と感服しまくった覚えがあります。特にWiiというコンソールはその頃のハードの進化の方向をかなりイノベーティブに変えたものだったので、「ゲーム人口の拡大」という岩田さんが掲げた目標に向かってチームが邁進していく様が心地よくて、とても興味深く読みました。

岩田さんの急逝はもちろん世界中のニュースとなり僕も大変驚きました。その頃はWiiUが苦戦していたから、今のSWITCHの成功を嬉しく思いますね…(何目線や)

で、前述の本は、岩田さんの生前のインタビューの抜粋と、あのマリオの生みの親である宮本茂さん、そして糸井重里さんと、親交の深かったお二人が岩田さんの他界の後に受けられたインタビューで出来ていまして、これがなんか胸に迫ったんですよね。どちらも朗らかに、淡々とお話されてるんだけど、本当に仲が良かったんだな、ウマがあったんだなというのが滲み出てて、入浴(しながら読んでたんです)中に何度も落涙してしまいました。

人が誰かを「あの人といるのは楽しかったな。そういえばこんな事があってね」と嬉しそうに話すのは、とてもすがすがしいですね。夕涼みのような感じがします。

僕もできたらそんなふうに言われる人生を送りたいな…。まあ相変わらず友達は少ないんですけどね。