死ぬまでに日本人ドライバーがF1ワールドチャンピオンになるところを観たい、というのが30年来変わらない僕の夢です。スポーツ観戦や応援にはかなりうとい(他人の勝負なんてどうでもいい)私ですが、F1だけは例外である。これまで日本人ドライバーの活躍(と悲運や不遇)には自分の事のように一喜一憂してきた。
それはきっと空前のF1ブームだった少年期に
「今回こそはいける!いける…いけー!わちゃーだめだったーー」
みたいな経験を何度も積まされて、タナトス的なというか、破滅の美学みたいな快感を感じてしまったからかもしれない。
そう言えば日本人に限らず僕の応援する人はだいたい行けそうで行けない人が多かった。
一位を独走し、やっとシーズン初優勝できると思ったらファイナルラップで自らエンジンを切ってしまい(観客に手を振ろうとしたらスイッチに触っちゃったというのが通説)リタイアしたナイジェルマンセル。(91年カナダ)
開幕5位(6位だっけ?)入賞と速さを見せ始め、その後悲劇の94年サンマリノGPで5位に入るも、テレビ放送はアイルトンセナ事故しか扱わず、全然テレビに映らなかった片山右京。(まあ、これはしかたないのか…)
同年のドイツGPでは日本人初(当時)の予選3位を獲得し、意気揚々と優勝を狙っていた(2番グリッドのデーモン・ヒルなんか眼中にないと言い放ってた。かっこいい!)けど、やっぱりリタイアしちゃう片山右京。
しかし全体にいい感じでシーズンを終え、チームのスポンサーも増え期待に胸を膨らませて(僕がね)翌シーズンを迎えるもマシンがダメダメで、チームメートのミカサロにも差をつけられてしまいしょんぼりだった片山右京。
なんだほとんど右京さんじゃないか。でも彼の事ががすごく好きで、ミナルディに移籍しテールエンダーが定席となった後もしつこく応援してました。なんか、走りがロックだったんですよね。いい、いい、いいぜー、あー!どっかーん!みたいなのがね。グランジでした。
長くなってきたけど、今年2021年はいよいよ小林可夢偉(いつぞやの鈴鹿のオーバーテイクショーはしびれたねえ。スタートが得意というのもいいとこだった)以来の日本人ドライバー、角田裕毅(つのだゆうき)が参戦します!
これはもうおじさん応援しちゃうよー。彼からは僕の好きな最近の若者共通の、透明感のある闘志を感じます。なんか雰囲気も髭男のさとっちゃんに似てなくもない。レッドブルジュニアドライバー出身なのよー。昨年のF2ランキング堂々の3位なのよー。ちょっとこれまでの日本人ドライバーとは既に一線を画してます。結果を残せばレッドブルへの昇格も夢じゃない!彼なら!30年来の夢を叶えてくれそうだ!
近い将来にワールドチャンピオンを獲得して
「いけいけー!わちゃー!どかーん!もあれはあれで楽しかったなぁ」
と思わせてほしいですね。